【社員のつぶやき】地域・自然共生型の再エネを目指して①

釧路湿原周辺のメガソーラー建設による自然破壊がニュースに取り上げられていますね。
残念ながら、このような問題は日本各地で起こってきています。
だから、地上設置の太陽光発電を禁止してしまった自治体もたくさんあります。でも、禁止・反対だけで本当にいいのか?
この猛暑、異常気象など深刻化する気候変動は誰かが止めてと願うだけでいいのか?自分たちの地域は太陽光発電は嫌だけど、他の地域の原発に頼る状況でいいのか?
また別の観点では能勢町や豊能町のような小さな町でも、エネルギーを買うために、地域外へ毎年何億円も支払っています(そしてその約半分は化石燃料費として海外に流出)。一方で気候変動緩和、エネルギーの自立、地域資源循環・地域経済循環などをめざして地域・自然と共生している市民発電などもたくさんあります。そんなのも禁止していいのか?
では、どうすればいいのか?解決策の1つはやはり、再エネのゾーニングだと思います。
地形、自然環境、希少種の生息、法律などの情報と、景観などの住んでいる方の想いなども合わせて、どこは設置がOKで、どこはだめなのかなど、地域で事前に場所を決めておくことです。能勢町では、2021年度から多くの住民の皆さんにもご参加・ご意見をいただきながら、ゾーニングマップをつくり、対応する条例も作りました。太陽光発電の分野では、私たちの知る限り、ゾーニング+条例は日本初の事例です。
▽能勢町ホームページ「再生可能エネルギーの導入に係るゾーニング事業について」(外部リンク)
https://www.town.nose.osaka.jp/soshiki/midorikankyou/kankyoueisei/oshirase/9416.html
ただこのゾーニングや条例は作って終わりではありません。能勢町のゾーニングは、ざっくり言うとこの3つに分かれています。

禁止区域…×(赤)
条件区域…△(黄)
普及区域…〇(緑)
地図を見ていただいて分かるように、許可申請区域黄色のエリアが多くあります。ここに設置を検討している事業者があれば、設置前に住民の方への説明会、専門家も含めた検討などを経て設置の許可を出すかどうかを決めます。ですので、もし近隣で新しく建設が計画された再エネがあった場合、面倒ですが、良い再エネなのか、そうでないのか住民のみなさんも一緒に考えて、意見を言っていただければと思います。良い再エネって口で言うのは簡単ですが、、人それぞれ価値観も違いますし、きっと結構難しいプロセスになると思います。
また、近所に条例に則っているのか疑わしい開発行為があった場合は、役場(当社でもいいですし)とりあえずご一報いただけると。さらに、社会や自然の変化に合わせて、いずれゾーニングマップも、見直す時期が来ると思います。その時もぜひまた、皆さんの意見をぜひ寄せて下さい。このような地道なひとつひとつの取り組みが、地域をより良くしていくことに繋がっていくことだと思います。
一緒に、より良い未来を作っていきましょう!
補足
※つまり、条例を作った能勢町では釧路湿原周辺のようにひどい自然や景観破壊を引き起こすような発電事業を町が法律上止めることができないという事態は起こりにくくなったと思います。(しかし、能勢町内でも条例施行前に国に事業認定されいる事業は法律上は止めることはできません。)
※豊能町では、ゾーニングは行っていませんが、条例で太陽光発電の禁止区域が定められ、その他の区域も事前協議・許可制になっています。
※ゾーニングを検討する他の自治体さんへ。
私たちの知見でお役に立つことがあれば、共有しますのでご連絡下さい。いい地域を作って行きましょう!(そもそも国にも、問題のある再エネが出ないように、もっと法整備や支援をやっていただきたいのですが。)
※ゾーニング以外にも、私たち小売電気会社にもすべきことがあるんじゃないかと思ってます。それは次の記事でお話しますね。